From 7e4c50060a6c4c37d3135355129dd2907cae345d Mon Sep 17 00:00:00 2001 From: Ryota Suzuki Date: Tue, 28 Feb 2023 21:07:28 +0900 Subject: [PATCH 1/2] =?UTF-8?q?=E3=82=AA=E3=83=AA=E3=82=B8=E3=83=8A?= =?UTF-8?q?=E3=83=AB=E3=82=92=E3=82=B5=E3=83=96=E3=83=A2=E3=82=B8=E3=83=A5?= =?UTF-8?q?=E3=83=BC=E3=83=AB=E3=81=AB?= MIME-Version: 1.0 Content-Type: text/plain; charset=UTF-8 Content-Transfer-Encoding: 8bit --- .gitmodules | 3 + README.md | 7 +- holacracy_constitution_lapras.md | 1 + holcracy_constitution_lapras.md | 471 ------------------------------- original | 1 + 5 files changed, 8 insertions(+), 475 deletions(-) create mode 100644 .gitmodules create mode 120000 holacracy_constitution_lapras.md delete mode 100644 holcracy_constitution_lapras.md create mode 160000 original diff --git a/.gitmodules b/.gitmodules new file mode 100644 index 0000000..0c4d0c8 --- /dev/null +++ b/.gitmodules @@ -0,0 +1,3 @@ +[submodule "original"] + path = original + url = git@github.com:nunukim/Holacracy-Constitution.git diff --git a/README.md b/README.md index 908d140..a7f8be3 100644 --- a/README.md +++ b/README.md @@ -2,10 +2,9 @@ ## LAPRAS で運用中の憲法 -[holcracy_constitution_lapras.md](./holcracy_constitution_lapras.md) +[holacracy_constitution_lapras.md](./holacracy_constitution_lapras.md) -※ 現在、[Holacracy Constitution v5.0](https://github.com/holacracyone/Holacracy-Constitution/releases/tag/v5.0) をそのまま運用しています。 -※ 日本語出典は[こちら](https://github.com/nunukim/Holacracy-Constitution/blob/v5.0-ja-dev/Holacracy-Constitution.ja.md)。 +※ 現在、[Holacracy Constitution v5.0 の日本語訳版](https://github.com/nunukim/Holacracy-Constitution/blob/v5.0-ja-dev/Holacracy-Constitution.ja.md) をそのまま運用しています。 ## 参考 -- [Holacracy Constitution](https://github.com/holacracyone/Holacracy-Constitution/tags) \ No newline at end of file +- [Holacracy Constitution](https://github.com/holacracyone/Holacracy-Constitution/tags) diff --git a/holacracy_constitution_lapras.md b/holacracy_constitution_lapras.md new file mode 120000 index 0000000..5e89775 --- /dev/null +++ b/holacracy_constitution_lapras.md @@ -0,0 +1 @@ +original/Holacracy-Constitution.ja.md \ No newline at end of file diff --git a/holcracy_constitution_lapras.md b/holcracy_constitution_lapras.md deleted file mode 100644 index e453d5d..0000000 --- a/holcracy_constitution_lapras.md +++ /dev/null @@ -1,471 +0,0 @@ -# **Holacracy Constitution (v5.0)** - -## Preamble (序文) - -***批准者(Ratifiers)*** は、ここに、指定された ***組織(Organization)*** の正式な権限構造として、この ***憲法(Constitution)*** を採用します。これにより批准者は、組織を統治し実行する権限を、批准者自身が委譲する権限を持たないもの以外はすべて、*憲法*のルールとプロセスに譲渡します。*批准者*またはその後継者は、この*憲法*を採用するときに依拠していたプロセスによって、この*憲法*を改正したり廃止したりすることができます。ただし、修正は書面で行われなければなりません。 - -この*憲法*を採用する前にこの*組織*において有効であったすべての規定や制度は、たとえ*憲法*のプロセスの下で作成されていない権限または制約が含まれていても、*憲法*の採用後も完全に有効であり続けますが、ここで定義されたプロセスによらずに、これらをさらに拡張したり変更することはできません。 これらの古い規定および制度は、それらに代わるものや、それらに矛盾するものがこの*憲法*のプロセスによって作り出されたとき、ただちにそれらのすべての影響力と権限が失われます。 - -組織は*批准者*に加えて、組織のガバナンスとオペレーションを支援するために他の ***パートナー(Partners)*** を指定できます。ただし、そのパートナーもまたこの*憲法*の全ての関連条項に従うことに同意した場合に限ります。この制限のもとで、*批准者*が別途定めていない限り、*組織*は*パートナー*をどのように追加したり削除したりするかを定義することができます。また、*批准者*は*組織*の初期*パートナー*を指定することができます。 - -各*パートナー*はこの*憲法*によって与えられた権限を、*憲法*を採用する前に*批准者*が有していた権限と同じように行使する事ができます。*パートナー*としてのあなたの責任と制約は、この*憲法*およびそのプロセスにより生じたもの、*パートナー*が*組織*に対して負う法的義務、および*組織*を代表する際に負う法的義務からのみ発生します。暗黙の期待や制約は*パートナー*に対していかなる権限も持たず、この*憲法*によって与えられた権限の範囲外で発せられた命令もまた同様です。 - - -## Article 1: Organizational Structure (第1章: 組織構造) - -### 1.1 Role Definition (ロールの定義) - -「***Role(ロール)***」は、人が就くことができ、またそれにより*組織*を代表するものとして活性化される組織の構成要素です。*ロール*に就いている人はみな、その*ロール*の「***Role Lead(ロールリード)***」です。 - -***ロール(Roles)*** の定義は、わかりやすい名前と、次の項目のうち1つ以上からなります: - -- **(a)** 1つの ***目的(Purpose)***: *ロール*が追求または表現する、能力、可能性、または目標。 -- **(b)** 1つまたは複数の ***ドメイン(Domain)***: *ロール*がその*目的*のために、排他的にコントロールし、所有物として規制する資産、プロセス、またはその他のもの。 -- **(c)** 1つまたは複数の ***責務(Accountability)***: 他の*ロール*を補助するため、または自身の*目的*をサポートするために、*ロール*が管理し実施する、反復的な活動。 - -*ロール*は、さらにいくつかの ***ポリシー(Policy)*** をもつ場合があります。これは、権限の付与や制限、またはその*ロール*内で適用される特別なルールです。 - - -### 1.2 Responsibilities of Role Leads (*ロールリード*の責任) - -*ロールリード*として、あなたは以下の責任を負います: - -#### 1.2.1 Processing Tensions (ひずみを処理する責任) - -あなたは、*ロール*の*目的*や*責務*の現在の姿と、それらのあるべき理想と考える姿との間のギャップ(これらのギャップは ***ひずみ(Tension)*** と呼ばれます)を比較し、特定する責任があります。さらに、あなたは、それらの*ひずみ*を解決する責任があります。 - -#### 1.2.2 Processing Purpose & Accountabilities (目的と責務を処理する責任) - -あなたは、*ロール*の*目的*および各*責務*をどのように実現するか、以下の項目を定義することで定期的に検討する責任があります。 - -- **(a)** ***ネクストアクション(Next-Action)***: 優先順位を抜きに考えれば、すぐにでも実行できる有用な行動。 -- **(b)** ***プロジェクト(Project)***: 優先順位を抜きに考えれば、取り組むべきと思われる特定の成果。 - -#### 1.2.3 Breaking Down Projects (プロジェクトを分解する責任) - -あなたは、あなたの*ロール*の進行中の*プロジェクト*ごとに、*ネクストアクション*を定期的に定義する責任があります。 - -#### 1.2.4 Tracking Projects, Next-Actions, & Tensions (プロジェクト、ネクストアクション、ひずみの記録をつける責任) - -あなたは、あなたの*ロール*のすべての*プロジェクト*と*ネクストアクション*を捉えて、書面のリストで記録をつける責任があります。また、あなたは、解消しようとする*ひずみ*が、*プロジェクト*または*ネクストアクション*として処理されるまで、その*ひずみ*を記録し続けなければなりません。さらに、あなたは、これらのリストを定期的に確認および更新することで、*ロール*が行おうとしている仕事の信頼できる情報源として維持する責任もあります。 - -#### 1.2.5 Executing Next-Actions (ネクストアクションを実行する責任) - -*ロール*で行動する時間があるときはいつでも、実行できる*ネクストアクション*を検討し、その中で最も*組織*に価値を与えるであろうものを実行する責任があります。 - -### 1.3 Circles (サークル) - -***サークル(Circle)*** は、共通の*目的*によって*ロール*および*ポリシー*を構造化するための入れ物です。 *サークル*内の*ロール*および*ポリシー*は、その時点での*サークル*の ***ガバナンス(Governance)*** を構成します。 - -#### 1.3.1 Breaking Down Roles (ロールの分解) - -すべての*ロール*の内部には*サークル*があります。この*サークル*は独自の*ロール*や*ポリシー*を保持することで、作業を分解して組織化することができます。これは、この*憲法*の中で定義されている*ロール*には適用されません (それらはさらに分解することができません)。 - -*ロール*の内部の*サークル*は、その*ロール*を保持する外側の*サークル*の ***子サークル(Sub-Circle)*** とみなされ、その外側の*サークル*は ***親サークル(Super-Circle)*** とみなされます。 - -#### 1.3.2 Delegating Domains (ドメインの委譲) - -*サークル*がその保持する*ロール*の1つに*ドメイン*を付与すると、その*ロール*の*ロールリード*は*サークル*の代表としてその*ドメイン*を制御できます。*サークル*がその保持するロールに付与できる*ドメイン*は、*サークル*自身が保有する*ドメイン*に含まれるもの、もしくは*サークル*自身の内部プロセスにのみ関連するものに限られます。 - -*ロール*が*ドメイン*をコントロールしているとき、その*ドメイン*を管理する*ポリシー*を、独自の*ガバナンス*として作成することができます。ただし、*ドメイン*を委譲した*サークル*もまた、その*ドメイン*を管理する独自の*ポリシー*を定義する権利を保持し続けます。これらの*ポリシー*は、矛盾が生じたときは、委譲先の*ロール*で定義されたものよりも優先されます。 - -明示的に指定されない限り、*ロール*が*ドメイン*を委譲されたとしても、*サークル*が金銭や資産の消費をコントロールする権利を委譲したことにはなりません。 - -#### 1.3.3 Anchor Circle (1.3.3 アンカーサークル) - -*組織*全体の*目的*を保持する最も広い*サークル*は、その*組織*の***アンカーサークル(Anchor Circle)***です。 *アンカーサークル*は*組織*自体がコントロールするすべての権限と*ドメイン*を保持し、*親サークル*を持ちません。 *アンカーサークル*は、*ポリシー*により自身の*目的*を変更したり、*責務*を明示することができます。 - -*批准者*は、この*憲法*を採用する際に、*アンカーサークル*内の初期構造、およびその他の*ガバナンス*を定義することができます。 - -#### 1.3.4 Linking Into Circles (サークルへのリンク) - -*ロール*は、他の*サークル*またはその*親サークル*が*ポリシー*によって招待することで、その*サークル*にリンクします。 - -*ロール*は、他の*サークル*へリンクされると、その*サークル*の*ガバナンス*の一部と見なされます。その*サークル*は、その*ロール*に何かを追加したり、その追加したものを後で変更することができます。ただし、*ロール*自体を削除したり、別の*サークル*によって追加されたものを変更したり、その*サークル*が追加したものを別の*サークル*が変更または削除することはできません。*ロール*への割り当てを追加または変更する権限は、その元の*サークル*に残ります。*ロール*がリンクしている*サークル*はその*ロール*の*親サークル*とはみなされず、その*ロール*の内部*サークル*はその*サークル*の*子サークル*とみなされません。 - -*サークル*は、リンクを招待した*ポリシー*を削除するか、その*ポリシー*で定義された別のメカニズムによって*ロール*のリンクを解除できます。*ロール*は、その*ロール*の*ポリシー*か、その*ロール*の*親サークル*のポリシーによる別段の指示がない限りは、リンク先の*サークル*から自分自身を削除することもできます。*サークル*へのリンクが解除されると、その*サークル*によって*ロール*に追加された*ガバナンス*は自動的に削除されます。 - -### 1.3.5 Facilitator and Secretary (ファシリテーターとセクレタリーロール) - -どの*サークル*も、その*サークル*の ***ファシリテーター(Facilitator)*** として誰かを任命することができます。選ばれた*ファシリテーター*はその*サークル*の中にある ***ファシリテーターロール(Facilitator Role)*** に就きます。その*目的*は「*サークル*のガバナンスおよびオペレーションの実践が*憲法*に沿っていること」です。 - -どの*サークル*も、その*サークル*の ***セクレタリー(Secretary)*** として誰かを任命することができます。選ばれた*セクレタリー*はその*サークル*の中にある ***セクレタリーロール(Secretary Role)*** に就きます。その*目的*は「憲法上必要な*サークル*の記録とミーティングを安定化させる」です。 - -*サークル*は、その*ファシリテーターロール*や*セクレタリーロール*に*責務*や*ドメイン*を追加したり、追加したそれらを修正したり削除したりすることができます。どの*サークル*も、これらの*ロール*の*目的*や、*憲法*によってこれらの*ロール*に設定されている*責務*や*ドメイン*を修正したり削除したりすることはできません。 - -### 1.4 Circle Leads (サークルリード) - -*ロールリード*を務めることは、その*ロール*の内部の*サークル*の***サークルリード(Circle Lead)***を務めることも意味します。そしてこれによりその*サークル*の***サークルリードロール(Circle Lead Role)***に就きます。*サークルリードロール*はその外側の*ロール*の全ての*目的*と、その*サークル*内の別の*ロール*やプロセスに移譲されていない全ての*責務*を保持します。 - -*アンカーサークル*は、*ポリシー*によって別段の定めがない限り、*サークルリード*を持ちません。 - -### 1.4.1 Role Assignment (ロールへの割り当て) - -*サークルリード*は、*サークル*の*ロール*への割当をコントロールし、*サークル*内の任意の*ロール*に就く意志のある人を誰でも割り当てることができます。一度に複数の人をアサインすることもできます。そのように割り当てられた人は、事前に別段の合意が無い限り、後で辞退することができます。*サークルリード*もまた、いつでも*サークル*内の*ロール*への割り当てを取り消すことができます。 - -*サークルリード*はさらに*ロール*への*割り当て*を特定のコンテキストにフォーカスすることができます。ただし、そうするためには、*ロール*定義の全体がそのコンテキストにおいて関連していなければなりません。 フォーカスが使われた場合、各割り当てのフォーカスは個別の*ロール*のように振る舞います。その*ロール*の*目的*、*ドメイン*、そして*責務*の全てが適用されますが、その割り当てのフォーカスの中においてのみです。 - -*サークル*が*ロール*の割り当てのコントロールを別の*ロール*やプロセスに移譲していない限り、*サークルリード*以外の誰も*ロール*に割り当てたり*ロール*の割り当てを取り消したりすることはできません。*ポリシー*によって*ロール*割り当てや削除をさらに制限することもできます。 - -#### 1.4.2 Covering Unfilled Roles (誰も就いていないロールの代行) - -*サークル*内の*ロール*に誰も着いていないときは、各*サークルリード*が自動的にその*ロール*の*ロールリード*であるとみなされます。 - -*組織*の*パートナー*でない人のみが*ロール*に就いているときもまた、各*サークルリード*が自動的にその*ロール*の*ロールリード*であるとみなされます。しかし、この既定の割り当ては、*パートナー*であれば求められる責任や義務をその非*パートナー*が積極的に果たしていない限りにおいてのみ適用されます。 - -#### 1.4.3 Defining Priorities & Strategies (優先順位と方針の定義) - -*サークルリード*は、*ロール*間の優先度の競合を解消するために、*サークル*の可能な取り組みの相対的な価値を判断することができます。*サークルリード*は、1つまたは複数の ***方針(Strategy)*** を定義することもできます。これは、*サークル*の優先順位付けを導くための経験則です。 - -#### 1.4.4 Routing External References (外部からの参照の振り分け) - -ある*サークル*の外部の*ガバナンス*がその*サークル*自体またはその*サークル*のいずれかの*ロール*を参照した場合、*サークルリード*はその参照を上書きし、代わりにその*サークル*の別の*ロール*を参照するようにできます。この明瞭化は*サークル*の*ガバナンス*の変更とはみなされません。 - -#### 1.4.5 Amending the Circle Lead Role (サークルリードロールの修正) - -*サークル*は、その*サークルリードロール*の*目的*を変更したり、*ロール*自体を削除したりすることはできません。 - -*サークル*は、その*サークルリードロール*に*責務*や*ドメイン*を追加したり、追加したそれらを削除したりすることができます。しかしながら、全ての追加は自動的に*子サークル*の*サークルリード*にも再帰的に適用されます。*サークル*は、自身の*サークルリードロール*のみに*責務*や*ドメイン*を追加することはできず、その*サークル*のみに関連するものを追加することもできません。 - -*サークル*は、自身の*サークルリードロール*の*責務*、*ドメイン*、権限、またはその機能を削除することができます。これを行うには、それらの要素を*サークル*の別の*ロール*に配置するか、それらの要素を実現する代替手段を定義します。これを行うことで、関連する権限や要素はその*サークル*の*サークルリードロール*から自動的に削除され、移譲されている間は継続します。 - - -## Article 2: Rules of Cooperation (第2章: 協調のルール) - -### 2.1 Duty of Transparency (透明性の義務) - -*パートナー*として、あなたは*組織*内の*ロールリード*の要求に応じて次のように透明性を確保する義務があります: - -- **(a) プロジェクトとネクストアクション:** あなたは、あなたが*組織*のために記録をつけている全ての*プロジェクト*と*ネクストアクション*を共有しなければなりません。 -- **(b) 相対的な優先度:** あなたは、あなたの*プロジェクト*または*ネクストアクション*のいずれかと、あなたの注意を惹く他のあらゆるものとの相対的な優先度の判断を共有しなければなりません。 -- **(c) 見積もり:** あなたは、あなたの*プロジェクト*または*ネクストアクション*を完了すると見込まれる時期の見積もりを提供しなければなりません。それは、現在のコンテキストと優先順位を考慮した大まかな見込みで十分です。詳細な分析や計画は必要ありません。また、この見積もりは決して約束ではありません。*ガバナンス*による定めのない限り、見積もりの変更があった場合にその記録をつける必要はありませんし、見積もりの提供した先に報告しにいく義務もありません。 -- **(d) チェックリスト項目:** あなたは、あなたの*ロール*のため、または*組織*の*パートナー*として、繰り返し行われる行動が完了しているかを確認する必要があります。これを要求された場合、あなたは、これらの確認事項の共有がもはや有用でないと思うまで、定期的にこれらの確認事項を共有し続けなければなりません。 -- **(e) メトリクス:** あなたは、あなたの*ロール*や、*組織*の*パートナー*として収集した指標を共有しなければなりません。これを要求された場合、あなたは、これらの指標の共有がもはや有用ではないと判断するまで、これらの指標を定期的に共有しなければなりません。 -- **(f) 進捗状況:** あなたは、前回共有して以来、あなたの*ロール*やいずれかの*プロジェクト*のために行った進捗の概要を共有しなければなりません。これを要求された場合、あなたは、進捗状況の共有がもはや有用ではないと判断するまで、進捗状況を定期的に共有しなければなりません。 -- **(g) その他の情報:** あなたは、すぐに提供可能で、共有しても問題ないその他の情報を何でも共有しなければなりません。 - -### 2.2 Duty of Processing (処理の義務) - -*パートナー*として、あなたは*組織*内の*ロールリード*のメッセージと要求を以下のように迅速に処理する義務があります: - -- **(a) 明瞭化の要求:** 他の人は、あなたのいずれかの*プロジェクト*やあなたの*ロール*のいずれかの*責務*の次の段階を明らかにするよう依頼することができます。このとき、あなたは、もし実行できる*ネクストアクション*がある場合、その中から取り組むものを決め、それを伝えなければなりません。もしそれがない場合、代わりに*ネクストアクション*を実行できるようになるまでに何を待っているのかを共有しなければなりません。 -- **(b) プロジェクトとネクストアクションの要求:** 他の人は、あなたに特定の*ネクストアクション*や*プロジェクト*を引き受けるように求めることができます。少なくとも優先順位を抜きに考えたときに、あなたのいずれかの*ロール*として、もしくは*組織*の*パートナー*として、取り組むことが理にかなっていると思われる場合は、あなたはその要求を受け入れて記録をつけなければなりません。そうしない場合は、その理由を説明するか、要求者の目標を達成すると思われる代わりの提案をしなければなりません。 -- **(c) ドメインに影響を与える要求:** 他の人は、あなたの*ロール*のいずれかがコントロールしている*ドメイン*に影響を与える許可を求めることができます。あなたは、あなたの*ロール*の*目的*や*責務*を果たす能力が低下する理由がない場合は、影響を与えることを許可しなければなりません。もしそのような理由がある場合、要求者にそれを説明しなければなりません。 - -### 2.3 Duty of Prioritization (優先の義務) - -*パートナー*として、あなたは以下のようにあなたの関心事の優先度を決める義務があります: - -- **(a) 処理:** あなたは、あなた自身の*ネクストアクション*の実行よりも、他の*ロールリード*からあなたの*ロール*へのメッセージの処理を通常は優先しなければなりません。ただし、処理時間が十分に迅速である範囲において、都合の良い時間にまとめて処理できるまでメッセージの処理を遅らせることはできます。メッセージの処理には、この章で挙げられているあらゆる義務に従い、要求に応じてメッセージをどのように処理したか共有することも含まれます。メッセージの処理には、記録した*ネクストアクション*または*プロジェクト*の実行は含まれません。 -- **(b) ミーティング:** あなたは、あなたの*ネクストアクション*の実行よりも、この*憲法*で定義されたミーティングへの参加を優先しなければなりません。ただし、これは他の*パートナー*が特定の会議についてこの優先度を明示的に要求した場合に限ります。さらに、会議の時間に既に予定がある場合には、その要求を拒否できます。 -- **(c) サークルの優先順位:** *ロール*として行う仕事を選ぶとき、あなたはそのロールやそれを保持するサークル、およびそれらの全ての親サークルの公式の*方針*や相対的な優先順位を考慮しなければなりません。そして、あなたはこれらの公式の優先順位を、あなた自身の優先順位や*組織*の優先順位に対するあなたの解釈よりも*組織*にとって重要であるとみなさなければなりません。*サークル*の公式の優先順位は、*サークルリード*、または*サークル*の優先順位の競合を解消したり*方針*を定義する権限を持つその他の*ロール*やプロセスによって定義されます。 -- **(d) 期限:** *サークル*の*ガバナンス*または公式の*方針*や優先順位に、いつまでに何かをすることを指定する期限が含まれている場合、その影響度に関わらず、その期限に間に合うことが強制であると誰も解釈してはなりません。代わりに、あなたは、その期限を守るために必要なすべての行動が、そのサークルにおける他のあらゆる行動よりも優先度が高いという、公式の優先順位付けであるとして解釈し、最善を尽くさなければなりません。*サークリード*またはロール間の優先順位の競合を解消する権限を持つ他の*ロール*やプロセスは、この優先順位を無効にすることができます。 - -### 2.4 Relational Agreements (関係協定) - -*パートナー*として、あなたは他の*パートナー*と ***関係協定(Relational Agreements)*** を結ぶことができます。これらは、あなたが*組織*内で仕事をする際にどのように相互に関係するか、もしくは*組織*の*パートナー*としての一般的な機能をどのように果たすかについての合意です。これにより、本章で挙げた義務を追加したり明瞭化したりすることができますが、これらと競合することはできません。 - -*関係協定*は、一般的に仕事を下支えする振る舞いを形作ることに着目していなければなりません。*ロール*の中で行うべき仕事への期待も、異なる*ロール*における*パートナー*の優先順位付けについての期待も設定することはできません。さらにこの協定は、具体的な行為や、行動の制約のみを指定することができます。この協定は、特定の成果の達成や、抽象的な性質を体現することに関する約束を含めることはできません。 - -*パートナー*として、あなたは、自身の個人的な好みのために、またはあなたが就いている*ロール*に供するために、別の*パートナー*に*関係協定*の締結を要求することができます。その*パートナー*は、自身の個人的な好みに基づいて、要求された*関係協定*を受け入れるか拒否することができます。別段の合意がない限り、いずれかの当事者は相手方に通知することにより、後からこの*関係協定*を終了することができます。 - -*パートナー*として、あなたは自身の行動をあなたが作成した書面による*関係協定*に合わせる義務があります。*組織*のプロセスやミーティングを進行している人もまた、*憲法*で定義されていることと矛盾しない限り、*関係協定*をそのプロセスやミーティング中で強制することができます。 - - -## Article 3: Tactical Meetings (第3章: タクティカルミーティング) - -*パートナー*は誰でも、 ***タクティカルミーティング(Tactical Meeting)*** を招集することで各自の責任や義務を果たすのを支援することができます。さらに、各*サークル*の*セクレタリー*は*サークル*の定例の*タクティカルミーティング*の予定を立てる責務があります。 - -### 3.1 Attendance (参加者) - -*サークル*の*セクレタリー*が開催する定例の*タクティカルミーティング*には、*ポリシー*による別段の定めが無い限り*サークル*の全ての*ロール*が招待されます。その他の*タクティカルミーティング*では、ミーティングを招集する*パートナー*は、そのミーティングに招待する*ロール*を指定しなければなりません。その後、招集者が*ロール*の*ロールリード*の一部のみを招待する場合を除き、*ロール*の*ロールリード*を務める全ての*パートナー*が*ロール*を代表して参加するよう招待されます。 - -### 3.2 Meeting Process (ミーティングプロセス) - -*サークル*の*ファシリテーター*は*サークル*の定例の*タクティカルミーティング*を進行する責務があります。また、このとき*セクレタリー*は*タクティカルミーティング*のアウトプットを記録して公開する責務があります。*サークル*の*セクレタリー*以外によって招集された*タクティカルミーティング*については、その*タクティカルミーティング*を招集した*パートナー*がミーティングを進行してアウトプットを記録するか、もしくは他の有志または適切な*ロール*がこれを行うように任命しなければなりません。 - -*ポリシー*による別段の指示がない限り、ミーティングを進行する人は次のプロセスを使用しなければなりません。 - -- **(a) チェックインラウンド:** 各参加者は、順番に自分の状況を共有したり会議の開始に際してコメントをしたりします。これに対する応答は許可されていません。 -- **(b) チェックリストレビュー:** 各参加者は、ミーティングに参加している*ロール*に関して定期的に報告している、繰り返し行われる行動が完了しているかを確認します。 -- **(c) メトリクスレビュー:** 各参加者は、ミーティングに参加している*ロール*に関して定期的に報告しているメトリクスを共有します。 -- **(d) 進捗の更新:** 各参加者は、会議に参加している*ロール*に関して定期的に報告している、*プロジェクト*やその他の取り組みの進捗状況の概要を示します。参加者は、以前の報告以降に行われた進捗のみを共有し、作業の一般的な状況の共有をすることはできません。 -- **(e) アジェンダ構築:** 参加者はミーティングで処理すべき項目からなるアジェンダを構築します。各参加者は、望む数のアジェンダ項目を、それぞれに短いラベルをつけることで追加できますが、ここでは説明や議論は許されません。参加者は、この手順の後も、既存のアジェンダ項目の処理中に、さらにアジェンダ項目を追加できます。 -- **(f) アジェンダ項目のトリアージ:** 各アジェンダ項目を処理するために、アジェンダ項目の所有者は他の参加者に対して、その参加者の*パートナー*としての一般的な立場に関して、もしくはその参加者がそのミーティングで代表する*ロール*に対して、要求を行うことができます。ただし、*ロール*に対する要求は、要求する人がそのミーティングで代表する*ロール*のためにのみ行うことができます。会議を進行する人は、各アジェンダ項目の許容時間を管理することで、アジェンダ全体のための時間を確保します。そして、どのアジェンダ項目も、割り当てられた時間の経過後に処理を中断することができます。 -- **(g) クロージングラウンド:** 各参加者は、順番に会議の振り返りを共有します。これに対する応答は許可されていません。 - -*サークル*の*ポリシー*により、その*サークル*のいずれかの*ロール*が招致する*タクティカルミーティング*に対し、この既定のプロセスの代わりのプロセスを指定したり、修正したりすることができます。 - - -## Article 4: Distributed Authority (分散型の権限) - -*ロールリード*として、あなたはこの*憲法*で定義されたルールを破らない限り、*ロール*の*目的*または*責務*を果たすためのあらゆる行動を行い、またあらゆる決定を下す権限を持っています。これから行う行動の優先順位付けと選択を行う際、あなたは各行動が*組織*に対して与える相対的な価値についてあなた自身の合理的な判断を用いることができます。 - -### 4.1 Constraints on Authority (権限に対する制限) - -*ロールリード*として、あなたの権限について以下の制限を遵守しなければなりません。 - -#### 4.1.1 Don't Violate Policies (ポリシーに違反しないこと) - -*ロール*として行動しているとき、あなたは、*ロール*や*ロール*を包含する*サークル*の*ポリシー*に違反することはできません。 - -#### 4.1.2 Get Permission Before Impacting Domains (ドメインに影響を与える前に許可をとること) - -*ロール*として行動している時、あなたは、その*ロール*の所有する*ドメイン*に影響を与え、コントロールする権限があります。 - -あなたは、さらに、あなたの*ロール*を包含する*サークル*が所有し他に委譲されていない*ドメイン*や、*サークル*自体が影響する可能性がある*ドメイン*に影響を与える事ができます。ただし、このとき、あなたが与えた影響を取り消すのが実質的に困難であったり、取り消すのにコストがかかると思われる場合は、許可を取る必要があります。 - -あなたは、許可を得ないかぎり、あなたのロールを含まない*ロール*や*サークル*に委譲された*ドメイン*をコントロールしたり、重大な影響を与えることはできません。また、その他の独立した存在が所有する*ドメイン*についても同様です。 - -*ドメイン*に影響を与える許可が必要な場合は、あなたは、その*ドメイン*をコントロールしている人なら誰からでも許可を得ることができます。また、あなたは、特定の行動を行う意図をアナウンスし、関連する*ドメイン*をもつ人に反論を促すことによっても、許可を得たとみなすことができます。このとき、あなたは、応答するうえで合理的な期間、返事を待たなければなりません。その期間が経過した時点で誰も異議を唱えなかった場合、*組織*の中でアナウンスが届いた全ての*ロール*が所有する*ドメイン*に影響を与える許可を得たことになります。書面によるアナウンスの場合、そのアナウンスは、使用したチャネルのメッセージを普段読んでいる人全員に届いたものとみなすことができます。これにより付与された許可は、アナウンスした特定の行動を実行している間のみ適用されます。*ポリシー*により、このプロセスを変更または制限することができます。 - -#### 4.1.3 Get Authorization Before Spending Money (金銭を消費する前に承認を取ること) - -事前に承認されない限り、あなたは金銭や資産を消費することはできません。この承認は、これらのリソースを消費する目的で既にコントロールしている*ロール*から取得する必要があります。*組織*の重要な財産を処分することや、権利を著しく制限することも、消費することも含まれます。 - -消費する承認を得るには、あなたは、承認を求めている*ロール*に対し、消費する意思を書面によってアナウンスする必要があります。このアナウンスは、その*ロール*またはその*ロール*内の*ロールリード*を務める全ての*パートナー*が通常閲覧する場所で共有しなければならず、その内容には、消費する理由と、消費する*ロール*を含めなければなりません。その後、あなたは、検討と応答をするうえで合理的な期間、返事を待たなければなりません。アナウンスを受けた人はだれでも、追加の検討のために消費の可否をエスカレートすることができ、エスカレートされた場合あなたは消費することを進めることはできません。しかしながら、あなたが承認を得ようとしている*ロール*の*ロールリード*は、エスカレートした人と同様に、エスカレーションを取り消すことができます。合理的な期間が経過し、エスカレーションが発生していない状態となると、あなたの*ロール*はそれらのリソースのコントロールを得ます。これにより、あなたは指定した目的のためにそれらを使用するか、さらに他の人に承認を与えることができます。あなたに承認を与えた*ロール*はそのコントロールを失いますが、その*ロール*の*ロールリード*はいつでも承認を取り消すことができます。 - -*ポリシー*によってこのプロセスを別の何らかの方法に変更することができ、また、ポリシーによって*ロール*に直接*サークル*のリソースの消費をコントロールする承認を与えることも可能です。 - -### 4.2 Interpretation Authority (解釈の権限) - -*パートナー*として、あなたはこの*憲法*およびその権限の下にあるものを解釈するためにあなた自身の合理的な判断を下すことができます。さらに、直面している特定の状況で、これらがどのように適用されるかを解釈し、その解釈に基づいて行動することもできます。しかしながら、あなたは、全ての*ガバナンス*を、それを包含する*サークル*の*目的*と*責務*の文脈の中で、またその*サークル*やさらにその*親サークル*の公式の解釈ルールに従って、解釈しなければなりません。その文脈や解釈ルールと矛盾する解釈を使用することはできません。 - -#### 4.2.1 Conflicts of Interpretation (解釈の競合) - -*パートナー*として、この*憲法*や*組織*の*ガバナンス*に対するあなたの解釈が他の*パートナー*の解釈と矛盾する場合があるかもしれません。これが発生したとき、いずれかの当事者は、影響を受けるいずれかの*サークル*の*セクレタリー*に、どの解釈を使用するかの裁定を下すよう依頼することができます。*セクレタリー*は、*憲法*とその権限下にある全てのものごとについて要求に応じて解釈を与える責務があります。*セクレタリー*が返答した後、全ての人は、関連する文書または文脈が変わるまで、その裁定に従わなければなりません。 - -解釈について裁定した後、*セクレタリー*は、その裁定と背後にある論理を公開することができます。これが公開された場合、その*サークル*や、それに含まれている*サークル*の*セクレタリー*は、将来の裁定でその論理と整合するように努めなければなりません。しかし、やむを得ない新しい状況によってその論理が陳腐化したとき、*セクレタリー*は、その論理と矛盾することもできます。 - -あなたは、*セクレタリー*の解釈を*親サークル*の*セクレタリー*に訴えることができます。*親サークル*の*セクレタリー*は、*子サークル*の*セクレタリー*の解釈を覆すことができます。 - -#### 4.2.2 Striking Invalid Governance (無効なガバナンスの削除) - -すべての*パートナー*は、*サークル*の*セクレタリー*に対し、その*サークル*やその*子サークル*内の*ガバナンス*の有効性に関する裁定を依頼することができます。*セクレタリー*は、その*ガバナンス*がこの*憲法*のルールに違反すると判断した場合、*サークル*の記録からそれを削除しなければなりません。その後、*セクレタリー*は、削除した項目とその理由を、その*サークル*内の*ロール*に就いている*パートナー*全員に速やかに伝えなければなりません。 - -### 4.3 Individual Initiative (個人イニシアチブ) - -*パートナー*として、ある場合において、あなたは ***個人イニシアチブ (Individual Initiative)*** を発動し、あなたの*ロール*の権限を越えたりこの*憲法*のルールを破って行動する権限があります。 - -#### 4.3.1 Allowed Situations (許容される状況) - -あなたは、次のすべての項目に該当する場合にのみ、*個人イニシアティブ*を発動できます。 - -- **(a)** *組織*内の*ロール*の*目的*に供するか、*責務*を果たすために誠実に行動していること。 -- **(b)** あなたは、あなたの行動が作り出す可能性のある*組織*の*ひずみ*よりも、多くの*ひずみ*を解決または防止すると確信していること。 -- **(c)** あなたの行動は、あなたがすでに消費することを許可されている金額を超えて、*組織*に消費させることがないこと。 -- **(d)** あなたの行動が*ポリシー*または*ドメイン*に違反する場合、許可の発動や*ガバナンス*の変更を待っている間に多くの価値が失われてしまうだろうと確信していること。 - -#### 4.3.2 Communication & Restoration (コミュニケーションと復旧) - -*個人イニシアティブ*を発動したらすぐに、あなたは重大な影響を受ける可能性のあるとあなたが考える*ロールリード*にあなたの行動を説明する必要があります。影響を受ける*ロールリード*の要求に応じて、あなたは*個人イニシアティブ*によって生じた*ひずみ*を解決するための行動をさらに行わなければなりません。また、影響を受ける*ロールリード*の要求に応じて、あなたは似たような*個人イニシアティブ*を発動することも控えなければなりません。 - -あなたは、通常の作業よりも、この節で必要とされるコミュニケーションと復旧を優先しなければなりません。ただし、行動の影響を受けるすべての*ロール*を包含する*サークル*の*サークルリード*は、この既定の優先順位を変更することができます。 - - -## Article 5: Governance Process (第5章: ガバナンス) - -*サークル*のガバナンスを変更するには、ここで定義される ***ガバナンスプロセス(Governance Process)*** を用いる必要があります。 - -### 5.1 Governance Participants (ガバナンスの参加者) - -各*サークル*には、*ガバナンスプロセス*において*ロール*を代表する ***サークルメンバー(Circle Members)*** のグループがいます。 - -*サークル*の*サークルメンバー*は、その*サークル*の*サークルリードロール*に就いている*パートナー*全員と、その*サークル*内の*ロール*の*ロールリード*である*パートナー*です。*ロール*に複数の*ロールリード*がいる場合、*サークル*は*ポリシー*を定めることにより、*ガバナンスプロセス*において*サークルメンバー*としてその*ロール*を代表する人数を制限することができます。 - -#### 5.1.1 Circle Reps (サークルレップ) - -*サークル*の全ての*サークルメンバー*は、いつでも*サークル*の ***サークルレップ(Circle Rep)*** として誰かを選出または交代するための選挙を要求することで、外側の*サークル*においてその*サークル*を代表してもらうことができます。選出された*サークルレップ*はその*サークル*の***サークルレップロール(Circle Rep Role)***に就きます。その*目的*は「外側の*サークル*のプロセスに関連する*ひずみ*を発見し、解決する」であり、以下の*責務*を持ちます: - -- **(a)** *サークル*内の*ロール*に就いている人によって伝えられる*ひずみ*を探し、理解する -- **(b)** この*サークル*を包含する外側の*サークル*内のプロセスについて適切な*ひずみ*を認識する -- **(c)** 外側の*サークル*内で*ひずみ*を処理し、この*サークル*の制約を取り除く - -*ポリシー*によって代替のプロセスが定義されていない限り、*サークル*は*サークルレップ*の選出にはここで定義される*統合選挙プロセス*を用いなければなりません。*サークル*の*サークルメンバー*のみが*サークルレップ*を務める資格があります。その*サークル*の*サークルリード*を務める人が*サークルレップ*も務めることはできません。その*サークル*の外側の*サークル*の*ポリシー*で許可されていない限り、*サークル*の*サークルレップ*を同時に務めることができるのは1人だけです。 - -選出された*サークルレップ*は、その*サークル*を包含する全ての*サークル*の*サークルメンバー*となり、*サークルリード*と同様にその*サークル*を代表する権限を持ちます。包含する*サークル*は、*ポリシー*によって*サークルレップ*が*サークルメンバー*になるのを制限または阻止できますが、これは、内側の*サークル*の*ロール*が外側の*サークル*において、*サークルレップ*と同等の代理手段をもつ場合のみ許されます。 - -*サークル*は、自身の*サークルレップロール*に*責務*または*ドメイン*を追加したり、追加されたそれらを修正または削除することができます。どの*サークル*も、この*ロール*の*目的*や、*憲法*によってこの*ロール*に設定されている*責務*を修正したり削除したりすることはできません。 - -#### 5.1.2 Facilitator & Secretary (ファシリテーターとセクレタリー) - -*サークル*の*ファシリテーター*は*ガバナンスプロセス*を進行する責務があります。*サークル*の*セクレタリー*は*ガバナンスプロセス*のアウトプットを記録して公開する責務があり、また*サークル*の*ガバナンス*の記録について*ドメイン*を持ちます。 - -*サークル*の全ての*サークルメンバー*は、いつでも*サークル*の*ファシリテーター*や*セクレタリー*として誰かを選出または交代するための選挙を要求する事ができます。*サークル*は*ファシリテーター*や*セクレタリー*の選出にはここで定義される*統合選挙プロセス*を用いなければなりません。いかなる*ロール*や*ポリシー*も、この方法以外で*ファシリテーターロール*や*セクレタリーロール*に人を割り当てたり、割り当てを削除したり、このプロセスを変更したりすることはできません。通常、この選挙の適格な候補者は*サークル*の*サークルメンバー*だけです。ただし、*サークル*または*親サークル*は、*ポリシー*によって適格な候補者を追加または制限することができます。 - -### 5.2 Scope of Governance (ガバナンスの範囲) - -*サークル*の*ガバナンスプロセス*により、*サークルメンバー*は以下ことを実行できます: - -- **(a)** この*サークル*の*ロール*を定義、修正、または削除すること。 -- **(b)** この*サークル*の*ポリシー*を定義、修正、または削除すること。 -- **(c)** この*サークル*が保有する*ロール*または*ポリシー*を、*子サークル*やさらにその*子サークル*へと移動すること。ただし、これはその*ロール*や*ポリシー*が*子サークル*の*目的*または*責務*を実現する場合に限られます。 -- **(d)** *ロール*または*ポリシー*を、*子サークル*やさらにその*子サークル*から、この*サークル*自体に移動すること。ただし、これはその*ロール*や*ポリシー*が*子サークル*の*目的*または*責務*を実現することに関連しなくなった場合に限られます。 -- **(e)** この*サークル*内で選出される*ロール*の選挙の実施。 - -上記以外の決定は*サークル*の*ガバナンスプロセス*の有効なアウトプットではありません。 - -#### 5.2.1 Scope of Policy (ポリシーの範囲) - -*ポリシー*は、次のいずれか1つまたはそれらの組み合わせに限られます。 - -- **(a)** *サークル*に含まれる1つまたは複数の*ロール*の権限に対する制約。 -- **(b)** 1つまたは複数の*ロール*に対する、*サークル*または*サークルリード*が保有している権限の付与。 -- **(c)** 人々または*ロール*に対し、*サークル*のいずれかの*ドメイン*をコントロールしたり影響を与える権限が無い場合には、それらの権限の付与。または、権限がある場合にはその方法の制約。 -- **(d)** 変更することが明示的に許可されている場合、この*憲法*の既定のルールやプロセスを変更するルール。 - -特に明記しない限り、権限を付与または制限する*ポリシー*は、すべての*子サークル*にも再帰的に適用されます。この*憲法*の既定のルールまたはプロセスを変更する*ポリシー*は、特に明記しない限りは*ポリシー*を保有する*サークル*にのみ適用され、明示的に指定されている場合はすべての*子サークル*でも再帰的に適用されます。後者の場合、元の*ポリシー*で明示的に禁止されていない限り、*子サークル*は自身の*ポリシー*により、元の*ポリシー*を上書きできます。 - -### 5.3 Changing Governance (ガバナンスの変更) - -*サークル*の全ての*サークルメンバー*は、*ガバナンス*の変更を提案することで*ガバナンスプロセス*を開始することができます。これを行うためには、***提案者(Proposer)*** は最初に書面の ***提案(Proposal)*** を、*セクレタリー*が許可したいずれかの通信チャネルを用いて他の全ての*サークルメンバー*に共有しなければなりません。その他の*サークルメンバー*は明瞭化のための質問をしたり、リアクションを共有したり、その*提案*を採択することに対する懸念を上げることができます。これらの懸念は、ここに示す基準を満たす場合 ***反論(Objection)*** であり、これを上げた人は ***反論者(Objector)*** です。 - -一度各*サークルメンバー*が*提案*に対する*反論*が無いことが確認されたら、*提案*は採択され、*サークル*の*ガバナンス*が変更されます。*反論*が上げられた場合、*提案者*と各*反論者*は、*サークル*が*提案*を採択する前に*反論*に対処する方法を見つけなければなりません。このような努力が行われた後、*サークルメンバー*に*反論*を上げる機会がもう一度与えられなければなりません。*サークル*は、*ポリシー*を採用することで*反論*を上げる時間制限を設けることができ、この時間制限が経過しても返答しなかった人は*反論*が無いものとみなされます。*サークル*が*提案*を非同期で処理しているときはいつでも、全ての*サークルメンバー*は、*提案者*に対して*提案*を同期で処理するためにミーティングに持ち込む事を要求することができます。ポリシーによる別段の定めが無い限り、これにより非同期の処理は停止し、*提案*はミーティングで再提出されるまで取り下げられたものとみなされます。 - -*提案*を作成したり*反論*を上げるとき、*サークルメンバー*は、*ロールリード*として就いているか*サークルレップ*として代表している*サークル*内の*ロール*のみを代表することができます。また、*サークルメンバー*は、*ロールリード*のいずれかから一時的に代表することを許可された場合、その許可が期限切れになるか取り消されるまで、その*ロール*を代表することも許されます。 - -#### 5.3.1 Proposal Requirements (提案の要件) - -*提案*を有効にするには、*提案者*は以下のすべての項目を満たさなければなりません。 - -- **(a)** *提案者*の*ロール*のいずれかのためにこの*提案*が対処しようとする*ひずみ*を記述できること。 -- **(b)** その*ひずみ*を記述する過去または現在の状況の実例を共有できること。 -- **(c)** その実例について、この*提案*がその*ひずみ*をどのように軽減するかについての合理的な説明ができること。 - -*提案*がこれらの基準を満たさないことが*ファシリテーター*にとって明白となった時点で、*ファシリテーター*は*提案*を棄却しなければなりません。 - -#### 5.3.2 Objection Requirements (反論の要件) - -*提案*の採択に対する懸念は、*反論者*が以下の基準の**すべて**を満たす理由の合理的な説明を提供できる場合にのみ*反論*として扱われます。 - -- **(a)** *提案*が、*サークル*が*目的*または*責務*を実現する能力を低下させること。 -- **(b)** *提案*が、*サークル*において*反論者*が代表する*ロール*の*目的*または*責務*を実現する能力を制限すること(たとえ*反論者*が*組織*の他の*ロール*に就いていなかったとしても)。 -- **(c)** *提案*が存在しなかったとしても、懸念がすでに存在してはいないこと。すなわち、*提案*を採択することによってはじめて、新しい*ひずみ*が生じること。 -- **(d)** *提案*は必然的に影響を及ぼすか、またはそれが可能性である場合、*サークル*に重大な危害が及ぶ前にそれに対応する十分な機会が得られないこと。 - -ただし、上記の基準に関係なく、*提案*の採択がこの*憲法*のルールに違反する場合、懸念は常に*反論*として扱われます。 - -#### 5.3.3 Testing Potential Objections (潜在的な反論の判定) - -*ファシリテーター*は、懸念が満たすべき基準を満たしているか、またどのように満たしているかを*反論者*に質問することで、懸念が*反論*と見なすか否かを判定することができます。質問の応答を評価する際、*ファシリテーター*は*反論者*が各基準に対して論理的な主張を提示できたかどうかでのみ判断することができます。*ファシリテーター*は、主張の正確さや、対処することの重要性に基づいて判断することはできません。 - -*提案*を採択するとこの*憲法*に違反するため*反論*が主張された場合、*ファシリテーター*は*サークル*の*セクレタリー*にそれが事実か否かを解釈するよう求めることができます。*セクレタリー*がそうではないと判断した場合、*ファシリテーター*は*提案*を却下しなければなりません。 - -#### 5.3.4 Rules of Integration (統合のルール) - -*反論*を解消しようとするとき、以下のルールが適用されます。 - -- **(a)** *ファシリテーター*は、*サークルメンバー*から要求された場合、*反論*をテストしなければなりません。要件の基準を満たしていない場合、*ファシリテーター*はそれを却下しなければなりません。 -- **(b)** *反論者*は、*反論*を解消し、なおかつもとの*提案者*の*ひずみ*にも対処するように*提案*を修正することに努めなければなりません。*反論者*がこれを行うための誠実な努力を行っていないと*ファシリテーター*が判断した場合、*ファシリテーター*はこの*反論*が取り下げられたものとみなし、それを却下しなければなりません。 -- **(c)** すべての*サークルメンバー*は、*提案者*に対して、*提案*の背後にある*ひずみ*または*提案者*が*ひずみ*を説明するために共有した例について、明瞭化のための質問をすることができます。*提案者*が誠意を持って回答していないと*ファシリテーター*が判断した場合、*ファシリテーター*はこの*提案*が取り下げられたものとみなさなければなりません。 -- **(d)** *反論者*は、*提案*の修正案を示し、これが*ひずみ*を解決する理由について合理的な主張を提供することができます。次に、*反論者*の要求に応じて、*提案者*は、*提案者*がもとの*ひずみ*を説明するために使用した例のうち少なくとも1つについて、*提案*の修正案が*ひずみ*の解決に失敗する理由について合理的な主張を提示しなければなりません。必要に応じて、*提案者*は、*提案*の修正案がもとの*ひずみ*の解決に失敗する理由を示す別の例を追加することができます。*提案者*がそうすることができない、またはそうする気がないと*ファシリテーター*が判断した場合、*ファシリテーター*はもとの*提案*が取り下げられたものとみなさなければなりません。 - -#### 5.3.5 Integrative Election Process (統合選挙プロセス) - -全ての*サークルメンバー*は、*サークルレップ*、*ファシリテーター*、または*セクレタリー*の選挙を求めることでも、*サークル*の*ガバナンスプロセス*を開始することができます。現在の*ファシリテーター*は、以下のように*統合選挙プロセス*を実施しなければなりません: - -- **(a) ロールの説明:** 最初に、*ファシリテーター*は、対象となる*ロール*を指定し、任期を選びます。*ファシリテーター*は、選挙に関連する他の情報を提示することもできます。このステップと次のステップの間、誰も候補者に関するコメントすることは出来ません。 -- **(b) 候補者を推薦する:** 各*サークルメンバー*は、投票用紙やその他の非公開フォーラムに、*ロール*に最も適していると思われる適格な候補者を指名します。*サークルメンバー*は投票用紙に自分の名前も記入しなければならず、また、棄権したり、複数の人を指名することはできません。 -- **(c) 推薦公開ラウンド:** このステップでは、*ファシリテーター*はそれぞれの推薦をすべての参加者に共有します。各推薦ごとに、推薦者は、候補者が*ロール*に適していると考える理由を述べます。他の人は反応しません。投票者は、指名した人以外の候補者についてコメントすることはできません。 -- **(d) 推薦変更ラウンド:** すべての指名が共有されると、参加者は推薦を変更し、変更理由を説明することができます。これに返答することはできません。 -- **(e) 提案の作成:** *ファシリテーター*は指名数を数え、最多の指名を集めた候補者を選出する*提案*を作成します。同点の場合、*ファシリテーター*は以下のいずれかを行うことができます。(i) 同点の候補者のうち1人だけが自分自身を指名した場合、その人を提案する。(ii) 同点の候補者の中に、その*ロール*に現在就いている人がいる場合、その人を提案する。(iii) 同点の候補者を無作為に1人選択し、その人を提案する。(iv) 前のステップに戻り、同点の候補者以外の人を指名した各*サークルメンバー*に、その指名を同点の候補者の誰かに変更するよう依頼する。 -- **(f) 反論ラウンド:** *ファシリテーター*は各*サークルメンバー*に*提案*に対する*反論*があるか確認します。*反論*が表出した場合、*ファシリテーター*はそれらを話し合って解決を試みるか、*提案*を取り下げるかのどちらかを選択できます。取り下げた場合、*ファシリテーター*は、このプロセスの前のステップに戻り、取り下げられた候補者へのすべての指名を無視し、前のステップのルールを適用し、代わりに提案する別の候補者を選択しなければなりません。 - -*サークル*は、*ポリシー*を採用することで、*統合選挙プロセス*において候補者を推薦したり*提案*に応答するまでの時間制限を定義することができます。この時間制限が経過したとき、*ファシリテーター*は返答がなかった人を残りのプロセスから除外しなければなりません。 - -*サークル*の*ファシリテーター*は、*サークル*で選出された*ロール*の任期が切れたときに新しい選挙を始める責務があります。 - -#### 5.3.6 Surrogates for Facilitator & Secretary (ファシリテーターとセクレタリーの代理) - -*ロール*に誰も就いていない場合、代理の人が*ファシリテーター*または*セクレタリー*の役割をもつ場合があります。通常の*ファシリテーター*または*セクレタリー*が必要なときに居ない場合や、何らかの理由で代理を求めた場合にも、代理の人が役割を担います。 - -代理が必要となったとき、代理の人は次の優先順位で決まります: - -- **(a)** 代理される人によって指定された人。 -- **(b)** *ファシリテーター*には*サークル*の*セクレタリー*。*セクレタリー*には*サークル*の*ファシリテーター* -- **(c)** *サークル*の*サークルリード*。もし複数の*サークルリード*が存在する場合は、その中で最初に代理として立候補した人。 -- **(d)** 最初に代理として立候補した*サークルメンバー*。 - -### 5.4 Governance Meetings (ガバナンスミーティング) - -ミーティング外で行われる非同期の*提案*に加えて、各*サークル*は定例の***ガバナンスミーティング(Governance Meeting)*** を開催することで、*サークル*の*ガバナンスプロセス*を同期で実施する場合があります。 - -*サークル*の*セクレタリー*は*ガバナンスミーティング*の予定を立てる責務があります。*サークル*の定例で予定される*ガバナンスミーティング*に加えて、*セクレタリー*は、*サークルメンバー*の要求に応じて、速やかに特別な*ガバナンスミーティング*の予定を立てなければなりません。要求する人は、さらに、特別な*ガバナンスミーティング*の開催意図と、ミーティングにより変更できる事柄に関して制限を指定できます。これには、会議の焦点を特定の*ひずみ*に絞ることや、特定の*ロール*のみが変更できるように制限することが含まれます。その場合、その特別な*ガバナンスミーティング*の権限は指定された開催意図のための*提案*の処理のみに制限され、指定された制限内の変更のみが許されます。 - -#### 5.4.1 Attendance (参加者) - -*サークル*のすべての*サークルメンバー*は、その*サークル*の*ガバナンスミーティング*に参加できます。*ファシリテーター*と*セクレタリー*となる人は、*サークル*の*サークルメンバー*でなくても参加できます。この場合、ミーティング中は一時的な*サークルメンバー*になります。 - -*サークル*の*サークルレップ*として、あなたは、あなたの*サークル*を直接包含する*サークル*の*ガバナンスミーティング*に、任意の*パートナー*を招待して参加させることができます。この招待は、一度に1人の*パートナー*にのみ適用できます。また、あなたが代表する*サークル*に影響を与える特定の*ひずみ*の処理するのに役立てるためにのみ利用できます。あなたは、その*ひずみ*を自分でも感知していなければならず、その*サークル*で処理するのが理にかなっていると信じていなければなりません。招待された人は、会議中または招待を取り消すまで、一時的な*サークルメンバー*になります。招待された人は、会議中にあなたと共に*サークル*を代表することができますが、これは、その特定の*ひずみ*を処理している間のみです。 - -上記以外の人は、誰もその*サークル*の*ガバナンスミーティング*に参加することはできません。 - -#### 5.4.2 Notice & Duration (通知と開催時間) - -*サークル*は、*セクレタリー*がすべての*サークルメンバー*に対して事前に合理的な通知を行った場合に限り、*カンファレンスミーティング*を開催できます。この他には、*ポリシー*で指定されていない限り、*サークル*が*ガバナンスミーティング*を実施するために必要な定足数はありません。 - -*ガバナンスミーティング*は、*セクレタリー*によって最初に予定された時間に達すると終了します。*セクレタリー*は、会議内で時間を延長することを選択できますが、これは、ミーティングを終了することをどの*サークルメンバー*も要求しない場合のみです。 - -*ガバナンスミーティング*の一部またはすべてを欠席した*サークルメンバー*は、その中で行われた*提案*について懸念を提起する機会があったものとみなされます。したがって、*サークル*は、欠席している人に関係なく、*ガバナンスミーティング*で*提案*を採択できます。 - -#### 5.4.3 Meeting Process (ミーティングプロセス) - -*ファシリテーター*は、*ガバナンスミーティング*において以下のプロセスを使用しなければなりません。 - -- **(a) チェックインラウンド:** 各参加者は、順番に自分の状況を共有したり会議の開始に際してコメントをしたりします。これに対する応答は許可されていません。 -- **(b) アジェンダの構築と処理:** *ファシリテーター*は、処理する*ひずみ*のアジェンダを作成してから、各アジェンダ項目を順番に処理します。 -- **(g) クロージングラウンド:** 各参加者は、順番に会議の振り返りを共有します。これに対する応答は許可されていません。 - -このプロセス中の任意の時点で、参加者は ***タイムアウト(Time Out)*** による中断を要求できます。*ファシリテーター*は、この要求を許可または拒否することを選択できます。*タイムアウト*の間に、参加者は管理上の問題や、この*憲法*のルールについて話し合うことができます。*タイムアウト*を使用して、*ひずみ*、*提案*、または*反論*の解消に取り組むことはできません。*ファシリテーター*は、いつでも*タイムアウト*を終了し、通常のミーティングプロセスを再開できます。 - -*サークル*の*ポリシー*により、このプロセスに何かを追加することができますが、この章で定義されているルールや要件と競合することはできません。 - -#### 5.4.4 Agenda Building (アジェンダ構築) - -*ファシリテーター*は、すべての参加者からアジェンダ項目を募集して処理する*ひずみ*のアジェンダを作成します。*ファシリテーター*は、事前にではなく、会議中にこれを行わなければなりません。各参加者は、望む数のアジェンダを、それぞれに短いラベルをつけることで追加できますが、ここでは説明や議論は許されません。参加者は、この手順の後も、既存のアジェンダ項目の処理中に、さらにアジェンダ項目を追加できます。 - -定例の*ガバナンスミーティング*の場合、*ファシリテーター*はアジェンダ項目を処理する順番を選択できます。ただし、参加者の要求に応じて、選挙を求めるアジェンダ項目を他のすべてのアジェンダ項目より優先しなければなりません。参加者の要求に応じて予定された特別な*ガバナンスミーティング*の場合、その参加者がアジェンダの順序を選択できます。 - -アジェンダ項目は一度に1つずつ処理されます。選挙を要求するアジェンダ項目を処理するためには、*ファシリテーター*は*統合選挙プロセス*を用います。その他のアジェンダ項目を処理するためには、*ファシリテーター*は以下で定義される *統合意思決定プロセス* を使用します。 - -#### 5.4.5 Integrative Decision-Making Process (統合意思決定プロセス) - -*ファシリテーター*は、以下のように ***統合意思決定プロセス(Integrative Decision-Making Process)*** を実施しなければなりません。 - -- **(a) 提案の提示:** 最初に、*提案者*は*ひずみ*を説明し、それに対処するための*提案*を提示できます。*提案者*の要求に応じて、*ファシリテーター*は、他の参加者が*提案*の作成に助言することを許可できます。ただし、*ファシリテーター*は、*提案者*の*ひずみ*に対処するための最初の*提案*にたどり着くことのみに、この助言を集中させなければなりません。*ファシリテーター*は、他の*ひずみ*や*提案*に関する懸念について議論することを禁止しなければなりません。 -- **(b) 明瞭化のための質問:** *提案者*が*提案*を作成すると、他の参加者は*提案*やその背後にある*ひずみ*をよりよく理解するための質問をすることができます。*提案者*は各質問に回答するか、回答を拒否することができます。*ファシリテーター*は、*提案*に対して表明されるあらゆるリアクションや意見を止め、あらゆる種類の議論が行われるのを阻止しなければなりません。参加者は、このステップの間や、その他発言を許可されている任意の時点で、*セクレタリー*に対し、*提案*を読み上げたり、既存の*ガバナンス*を表示するよう求めることができ、セクレタリはそのようにしなければなりません。 -- **(c) リアクションラウンド:** 次に、*提案者*を除く各参加者は、1人ずつ*提案*に対するリアクションを共有できます。*ファシリテーター*は、順番外のコメントや、他人を会話に引き込もうとするあらゆる試み、および、*提案*ではなく他のリアクションに対してなされるリアクションをただちに止めなければなりません。 -- **(d) 明瞭化の機会:** 次に、*提案者*は、リアクションに対してコメントを共有したり、*提案*を修正したりすることができます。ただし、修正の主な目的は、*提案者*の*ひずみ*をより適切に対処するためのものでなければならず、他の人に提起された*ひずみ*に対処するためものであってはなりません。*ファシリテーター*は、*提案者*または*セクレタリー*以外の人によるコメントをただちに止めなければなりません。*セクレタリー*による関与の場合も、*提案*の修正を記録することのみに集中しなければなりません。 -- **(e) 反論ラウンド:** 次に、各参加者は1人ずつ、*提案*を採択することに対する懸念を上げることができます。*ファシリテーター*はその懸念を*反論*として記録するか、もしくは*反論*の基準を満たしているか否かを判定して満たすものを記録するかのいずれかを行わなければなりません。もし反論がない場合、提案は採択されます。懸念を判定して*反論*を記録している間、*ファシリテーター*は反論者以外からのあらゆる種類の議論や反応を止めて却下しなければなりません。 -- **(f) 統合:** *反論*が存在する場合、*ファシリテーター*は、それぞれに1つずつ着目します。各々について、参加者はブレインストーミングを行い、*反論*を解消するための*提案*の修正案を探します。*ファシリテーター*は、*提案*の修正案により*反論*が起こらなくなることを*反論者*が確認し、かつ、もとの*ひずみ*にも対処していることを*提案者*が確認すると、*反論*が解消したものとして印を付けます。このステップでは、*ファシリテーター*は本章で説明されている統合のルールを適用しなければなりません。すべての*反論*が解消されたならば、*ファシリテーター*は*提案*を修正し、再び*反論*ラウンドに戻ります。 - -### 5.5 Process Breakdown (プロセス障害) - -***プロセス障害(Process Breakdown)*** は、*サークル*がこの*憲法*のルールに違反する振る舞いや結果のパターンを示している場合に発生します。*サークル*の*ファシリテーター*または*セクレタリー*は、合理的な判断により、自分の*サークル*やその*子サークル*において*プロセス障害*を宣言できます。関係する*パートナー*はさらに、*子サークル*を調査して潜在的な*プロセス障害*を探すよう*ファシリテーター*に要求することができます。*ファシリテーター*は要求に応じて*子サークル*のミーティングと記録を監査し、*プロセス障害*が発見された場合は宣言する*責務*があります。 - -#### 5.5.1 Breakdown from Failed Governance (ガバナンスの失敗による障害) - -*サークル*の*ファシリテーター*は、*提案*を解決のための合理的な時間を費やしても解決できなかった場合にも、*プロセス障害*を宣言することができます。 - -#### 5.5.2 Process Restoration (プロセス復旧) - -権限を持つ当事者が*サークル*内で*プロセス障害*を宣言するたび、以下の全てが発生します。 - -- **(a)** *ファシリテーター*は、その*サークル*内の*提案*または*反論*を検証するために行われた主張の論理性と妥当性を判断する権限を取得します。 -- **(b)** *親サークル*の*ファシリテーター*は、その*サークル*の正当なプロセスを復元する*プロジェクト*を取得します。 -- **(c)** *親サークル*の*ファシリテーター*は、その*サークル*の*ファシリテーター*または*セクレタリー*を代替する権限を取得します。 -- **(d)** *親サークル*の*ファシリテーター*は、*プロセス障害*の間、追加の*サークルリード*をその*サークル*に割り当てることができます。その人が*サークルリード*として下した決定は、別の*サークルリード*が下した矛盾する決定を覆して阻止します。 - -これらの権限は、*親サークル*の*ファシリテーター*の評価基準のもとで、*サークル*の正当なプロセスが復元されたとき、ただちに終了します。 - -*プロセス障害*が発生している*サークル*に*親サークル*がない場合、上記の全ての権限は、代わりにその*サークル*自身の*ファシリテーター*に与えられます。 - -#### 5.5.3 Escalation of Process Breakdown (プロセス障害のエスカレーション) - -ある*サークル*内の*プロセス障害*は、自動的に*親サークル*の*プロセス障害*でもあるとはみなされません。ただし、それが合理的な時間を掛けても依然解決されない場合、*親サークル*でも*プロセス障害*が発生しているとみなされます。 - ---- - -This work is licensed under a Creative Commons Attribution-ShareAlike 4.0 International License. - ---- diff --git a/original b/original new file mode 160000 index 0000000..d883426 --- /dev/null +++ b/original @@ -0,0 +1 @@ +Subproject commit d883426f79c6c760dbee4740d493cdead45050f1 From e87afc4c453c7cc46466ff6a5eef3947bfb32fda Mon Sep 17 00:00:00 2001 From: Ryota Suzuki Date: Tue, 28 Feb 2023 21:15:04 +0900 Subject: [PATCH 2/2] =?UTF-8?q?=E4=BF=AE=E6=AD=A3PR=E3=81=AF=E6=9C=AC?= =?UTF-8?q?=E5=AE=B6=E3=81=AB=E5=87=BA=E3=81=99=E6=97=A8README=E3=81=AB?= =?UTF-8?q?=E8=BF=BD=E5=8A=A0?= MIME-Version: 1.0 Content-Type: text/plain; charset=UTF-8 Content-Transfer-Encoding: 8bit --- README.md | 2 +- 1 file changed, 1 insertion(+), 1 deletion(-) diff --git a/README.md b/README.md index a7f8be3..a454af0 100644 --- a/README.md +++ b/README.md @@ -4,7 +4,7 @@ [holacracy_constitution_lapras.md](./holacracy_constitution_lapras.md) -※ 現在、[Holacracy Constitution v5.0 の日本語訳版](https://github.com/nunukim/Holacracy-Constitution/blob/v5.0-ja-dev/Holacracy-Constitution.ja.md) をそのまま運用しています。 +※ 現在、[Holacracy Constitution v5.0 の日本語訳版](https://github.com/nunukim/Holacracy-Constitution/blob/v5.0-ja-dev/Holacracy-Constitution.ja.md) をそのまま運用しています。誤字などの修正のPull Request はそちらにお願いします。 ## 参考 - [Holacracy Constitution](https://github.com/holacracyone/Holacracy-Constitution/tags)